暇潰しの読書から
美味しく食べられ、小さな楽しみがある日々…『一病息災』で穏やかに優しく生きていきたい。
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外出予定の無い日、家で過ごす時間はCDを聴きながら読書です。
多くは文庫版(安いし)で、本屋の平台に並んでいる殆どは読んでると思います。
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何しろ、編集者時代に多読が必要だったことから速読が身についてしまって…。
暇潰しのつもりでもユックリ読んでも2~3時間で1冊のペースですから。
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いつも纏めて数冊ずつ買ってきますが、それらは単なるベストセラーだけじゃなく、何かしらの話題になっている本、何処かでタイトルを見聞きした本などなど。
時には実用本から、謎解き物のような本、『テルマエ・ロマエ』のようなコミックまで、ジャンル無差別です(節操が無いとも言えますが)。
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図書館を利用すれば、と言う方のお声も考えてみましたが、読みたいという直感は平台に並んだ表紙から急に湧き出るので…表紙が「今日は私!」と訴えるようなんです。
だから以前には目が止まらなかった本に急に興味がいったり。
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そうして買った本の多くは、『プラチナデータ』『永遠の0(ゼロ)』『ビタミンF』『トンビ』など人気作品は読み終えた途端に右から左…。
『しゃばけ』や『ゆんでめで(弓手馬手)』など妖物や『○に十の字』のような時代物も固定ファンが待ってますし。
だから、読み終えた本は読みたいという方に差し上げ、貰い手が見つからなければリサイクルBOXに投函しますので手元には残りません。
リサイクルBOXに入れられた本は一律¥50で売られ、福祉サークルの資金になります。
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写真はごく最近読み終えた本の一部、明日には欲しい方の許やリサイクルBOX行きの予定なんですが。
かなりの読書量ですが、今までは読後感など書くことは控えてきました(知ってる作家さんもおりますしね)。
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多くの小説は自分とは無縁の別世界or仮想世界として読んでますから、物語としての感動や感嘆はあっても、読後は静かに心を通り過ぎていきます。
人生観が変わるほどなんて言うのは勿論、濾過しきれない澱のようなものが残る本は滅多に無い…と言うか、もう小説くらいでは然程の動揺が無くなった歳とも言えますが。
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読後感と言うのは人それぞれだし…だからベストセラーへの感想はそれぞれの胸の内でいいと思っています。
そんな中で、最近ちょっと刺激されたのは重松清『きみ去りしのち』と、百田尚樹『モンスター』。
飲み込みきれない何か、心に引っかかる何かがあることは、私自身にとって珍しい読後感だったので初めてですが少し触れさせてください。
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『きみ去りしのち』は愛する人や身近な人の“死”との対峙…どこで認識し、どこまで受容できるか。
久々に小説の行間や話の流れに私情が絡み、何度か涙しました。
これは少し時間を置いて冷静に再読してみようと。
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『モンスター』は衝撃的で心に澱を残しました。
多くの小説の結末は絵に描いたようなHappy endとはならないまでも、何とか読者が消化しきれる(納得する)ものでしょう。
久々に消化不良を感じたのは、私にまだ食品制限があるせいではないと思います。
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話の内容としては、醜女で誰からも相手にして貰えなかった女性が、美容整形の繰り返しで絶世の美女に変身する話。
(だから、いつも美人と言われ続けてきた方、失恋経験の無い方、オトコたちの羨望の的だった方には無縁の本です)
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ブスが美しくなる…それだけならある意味で『醜いアヒルの子』的サクセスストーリーですが、そんな半端なものじゃないの。
途中までは半ば仮想世界のように思って読んでいましたが、ラストの数行で胸が締め付けられました。
仮想でのこととは言え、彼女がそこまでして手に入れたかったのは??…、何だか彼女の気持ちが分からなくはない…いえ、オンナなら分かるかも。
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単純な片想いでさえ悩んで泪した思春期…それだけだって悲しい。
でも時には想われたことや両想いがあったから生きてこられたのかも。
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彼女ほど世間から疎外され忌避され続けたら、「見返したい」思いが募っていくのは分かる気がします。
想い続けた人にまで『モンスター』と呼ばれ拒否されたら…オンナとして“恋”を成就させたい、彼女はその“恋”のためだけで本当に(物理的にも)身心を削ってきたのです。
見事なまでに作り替えた“人造美”で、思い続けたオトコに言い寄られ抱かれ、幸せに酔って命果てた彼女はそれでも幸せだったのでしょう。
それが偽物で儚い錯覚だったと知らないまま、その瞬間には想いを成し遂げたと信じて逝けたのですから。
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ラストの数行と、エピローグは読者しか知らないこと、二度ほど読み返しました。
文の表面だけからはHappy endにも見える結末、哀しい結末としては書かれていません。
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でも、読者は分かる…想像できる、意識が無くなった彼女を見捨ててオトコは逃げた。
想像できない読者なんて居るかしら?
でも、彼女は知らないままで良かったのですね、フィクションとは言え、願いが叶ったと信じて逝ったと思わなければ哀しすぎて~。
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敢えてエピローグを載せた百田尚樹は作家としてスゴイ…けれど同性のオンナ心に呑み込めない苦い澱を残す追い打ちに恨み言を言いたい。
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※コメントは非公開で保留の設定ですので、直ぐには反映されませんがご了承ください。
また、悪戯や悪意のコメントは削除させて頂きます。
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また、“非公開で”の連絡や報告も書き込んでくださいね。
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強い思いで末期を生きた夫の思いに酬いるように、元気に生きて行きます。
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東野圭吾さんの本は読んだことがありますし、ドラマでも見たことがあります。
食堂かたつむりとツナグは映画で夜の観覧車はテレビドラマで見ました。
本を読んだ後で映像を見る方が良い場合と、その反対の時がありますね。
この3冊はどちらでしょう。
岳」浜子の名前と同じだし、小栗旬が好きなので録画してあるのですが、先に本を読んでしまいました。
映画を見てがっかりしなければいいのですが。
投稿: MOM | 2013年3月28日 (木) 23時40分
とても興味が湧きました。
読んでみようっと!
投稿: MONA | 2013年3月29日 (金) 09時23分
読み方は早くはないと思いますが場所に応じて2~3冊を並行して読みます。
あんなに好きだったサスペンスがガクッと減りました。
ば~ばさんが読まれている本、だいぶ読んでるかな。
重松清さんは一時、はまりました。
畠中恵さんのものや宮部みゆきさんの時代物が好きです。
「永遠の0」「プラチナデータ」が次に読む予定の本です。
「モンスター」メモメモ・・・です。
投稿: ベンジャミン(keiko) | 2013年3月29日 (金) 10時43分
こんにちは~^^@
写真の中に、読んだ本が何冊かあって嬉しい☆
私が読む本は殆どが推理物
早く結末が知りたくて夢中になっちゃいます。
モンスターに興味津々
読んでみようかな。
投稿: チーちゃん | 2013年3月29日 (金) 10時48分
みなさん幾つになっても勉強家ですね。
昔は図書館の本(貧乏で買えなかった)端から読んだが
今は本を読むと言う行為もだがフィクション全て興味ないし
ノンフィクションも殆ど興味ないです。
もう人間ほとんど捨てていますが、死ぬ前に何かいいことないかとも思うがそれを探す、ずくもないです。
(エネルギー(精神的なものを含む)の積極的な消費を厭わないような性質のこととも言える。 その構造分析に於いては、「ずく(主語)-が-無い(述語)」がひとつのセンテンスである、と見る者もあれば、「ずく無し(だ)」が一語の形容動詞である、と見る者も・・・ )
なんて書いてある。
又変な事書きました・・・チャンチャン
投稿: みかん | 2013年3月29日 (金) 11時44分
いつもありがとうございます、心の励みになります
コメントをありがとうございます。
どっちが先かは好みですが、私は原作を先にします…脚本ではどうなるか、映像ではどう表現されるかを観たいからですが、時には原作を再読してみることも
。
コメントをありがとうございます。
いろんな書評が出てますが、後味が苦いのは女性に多い感想みたいです
。
コメントをありがとうございます。
爽やかな読後感にはならないと思いますが、ちょっと考えさせられます
。
コメントをありがとうございます。
私も謎解き物の方が楽しめますね、でも読み出すと途中で本を置けません
。
コメントをありがとうございます。
気になることは直ぐにPC検索されてるんですもの…好奇心が何よりです
。
投稿: ば~ば | 2013年3月30日 (土) 08時36分