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2013年8月10日 (土)

名画に知る怖い歴史

artmemo美味しく食べられ、小さな楽しみがある日々…『一病息災』で穏やかに優しく生きていきたい。

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私が行きつけの本屋に注文取り寄せし、殆ど一気に読んだ3冊の文庫本があります。

中野京子著、角川書店発行『怖い絵』シリーズ…と言ってもホラー絵の本ではありません。

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誰もが知っている画家の、誰もが見たことのある名画が、実は怖い…描かれた経緯を知ると怖いのです。

著者はドイツ文学者で早稲田大学講師…絵画にもオペラにも楽曲にも精通した才媛。

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日本にも地獄絵や戦国絵、処刑絵などには目をそむけたくなる残虐非道な描写がたくさん存在します。

ただ、表現の怖さより怖いのは絵具に塗り込められた見えない史実。

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思想や政治のプロパガンダとして描かれた怖い絵の多くには、視覚に入ってくる怖さ以上の底知れない不気味さを感じることがあります。

それ以上に、本当に戦慄を覚えるのは、如何にも美しい名画の裏に感じる歴史背景じゃないでしょうか。

神代の昔から、現代に至ってなお洋の東西を問わず、治世や布教などの名目で繰り返される殺戮。

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高貴な血に下賤の血は混ぜられないと固執するあまり繰り返された血族結婚。

血縁が近いほど、生まれる子に障害が現れ、病弱や狂気を強めていきます。

そんな狂気を背負い、親子兄弟も信じられない…1枚の絵から解きほぐされる人間の業や欲。

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絵から謎解き、その点では『ダヴィンチコード』の人気もそんなことからでしょうが…謎は人を魅了します。

この絵の何処が怖い??、というような名画から解く歴史背景は怖いsign03

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中世以降に多くの名画が生み出された洋画の背景には絵具の質の向上もあります。

そして、貴族や富裕層は金に飽かして、画家を抱え、家族の肖像画や宗教画、神話を描かせたからです。

でも、大きなピラミッドのてっぺんに居る者の足元には、明日の~いえ数分先の命さえ保障されない人間とも呼ばれない貧民の山。

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疫病なら王侯貴族であろうと下賤や貧民であろうと平等に死神に連れて行かれます。

でも、王侯貴族のちょっとの気紛れや癇癪、妄想、嫉妬など虫の居所の悪さで意味も分からず殺される者の多かった時代。

肖像画を描いている画家でさえ、注文主の機嫌で…shock

斬首刑、串刺刑、磔刑、火刑、絞首刑、四肢切断刑…極めつけは生きたまま解剖に。

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豪華な衣装や家具、高価な装身具や果物などをあしらって肖像画に納まる者がそんな意味無き刑で殺された者たちの怨念を背負っていないと誰が言えるでしょう。

そして画家たちは塗りたくる絵具にいろいろな意味を込めたかと。

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有名美術館の中央ケースか、有名寺院の壁画でしかお目にかかれない…でも、美術書では馴染みの有る絵に隠された物語を絵解きのように解説します。

その文章を読みながら絵を見直すと、今まで見えなかったものが見えてくるの。

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1冊に22作以上の名画(写真)とその絵解きが載って700円、3冊揃えても2,100円です。

絵画の好きな方はもちろん、歴史に興味のある方、絵解きや謎解きなら任せてと言う方…まずはこの『怖い絵』シリーズ3部を…自発的PR。

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著書はたくさんあるので出来るだけ読みたい…中野京子、私的には目の離せない文学者です。

ただ、名画と言われる絵は鑑賞するだけでいいじゃないか。

キャンバスに込められた“怖さ”など何も考えず、絵だけに浸りたい…そんな方にはお勧めしませんが。

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※コメントは非公開で保留の設定ですので、直ぐには反映されませんがご了承ください。

また、悪戯や悪意のコメントは削除させて頂きます。

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また、“非公開で”の連絡や報告も書き込んでくださいね。

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強い思いで末期を生きた夫の思いに酬いるように、元気に生きて行きます。

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コメント

ごめんなさ~い。
ホラーでなくても怖いのは苦手です。
地獄絵も処刑の絵も宗教画(磔のキリストなど)もできれば見たくない絵なんです。
霊感があるわけではないのですが、以前仏像の絵を見に行った時ある絵の前に立つと気分が悪くなってしまったことがあります。
だから、そんな怖いいわくのある絵を見たらどうなるのかと思うと怖くて見られません。

権力を手に入れる、その権力に群がる、手に入れた権力を失うことを恐れる、それが人間界の不幸を生み出しますね。
大きなものから、身近なものまで・・・
それは今でも同じ。(u_u。)

毎日暑くて何もできませんね。
でも読書が進んで色んな知識吸収出来て人生豊かな気持ちになるには
手段は選びませんね。
私は暑さから逃げることだけが今の希望です。

知りたいのは、表面に表れている『絵』としての部分より、その裏に込められた事実。。。

うん、うん、わかる......とは思うのですが... 視覚から入ってくるものが衝撃的だと、事実を知りたいという気持ちも史実への興味も萎えてしまって。。。。。

作者は学問的な興味でいろいろ調べ、考えて、その本を著したと思うのですが、「ひとの目を引くにはどうすればいいか」を優先させた出版社の、見え透いた意図に、なんだか哀しくなります。

ば~ばさん おはよう^^
魂込めて描いた絵、その絵に隠された、物語・・
なるほど~、興味そそられるね。
でも、その本を読んだら名画も
今までとは別な気持ちで絵を観てしまうでしょうね。
読んでみたいけど、怖い気もします。

今日も真夏日、暑い暑い一日になりそう!


heart応援を頂いている皆様
いつもありがとうございます、知らない世界に足を踏み入れ驚愕するのも納涼になりませんか?confident


pencilMOM様
コメントをありがとうございます。

私はあなたほどじゃありませんが、過去の美術品から惧れを感じることがありますので、この本を読んでその感覚が少し納得できました…骨董やアンティーク、その類には持ち主や作者の思いを感じるからでしょうcoldsweats02


pencilMONA様
コメントをありがとうございます。

古今東西、治政や布教を名目に、結局は妄執や確執の連鎖が狂気の殺戮に繋がった例はあまたあり、お抱え絵師はそれを名画に秘した?think


pencilみかん様
コメントをありがとうございます。

単なるホラー物(怪談)と違って、寒気がするより熱くなりました…そんな歴史の先に今があるsad


pencilじゅんこ様
コメントをありがとうございます。

『モナリザ』『受胎告知』とか『フェルメールの真珠の耳飾りの女』を観て、その背景画の隅々まで観るでしょうか…そこに作者の本当のメッセージがあったとしたら?。
私も編集者でしたが“売らんがため”の本も有るでしょうが、それだけではプロジュースしなかったつもりです。

過去の上に今がある、名画にも過去がある・それだけ知って欲しいとのご紹介ですconfident


pencilチーちゃん様
コメントをありがとうございます。

教科書にも載っている名画、その美しい絵が描かれた時代背景は…誰もが観ない絵の隅っこなどに歴史背景があった、それが怖いのでしょうねthink

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